この学説を誰も知らないのは当たり前で、
今ここでテル先生が発表するからである。
世界初の大変貴重な、重大な発見であり、
地球人類の魂の進歩向上に貢献する説
である。(かもしれないのであるが…?)
「あ、ちょっと大げさだったかな?」
カプースチン分析研究結果発表小論文、
または、気楽なジャズ理論エッセイ
として読んでみてね。
☆
私は中学3年生の時、音楽家になる決意をした。
しかし、その1〜2年前、中学1年生の時は、
何と!本気で奇術師になるつもりだったのである。
奇術師の基本動作と言うべきことがある。
最初に当たり前の動作(現象)を見せる。
そして次に同じ動作をすると、あら不思議!
となるのだ。
これと同じことを、カプースチンはよくやる。
具体的に説明しよう。
例えば、キーE♭
| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | B♭7 |
ジャズでよく使うコード進行だよね。
(ダイアトニック・コード進行)
この進行をまず見せる。(聞かせておく)
そして4小節後に、もう1度〜
| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | ? |
このように聞かせてから
「さて次のコードは?」と〜。
当然、あなたは自信をもって答える。
「バカにしないでよ。B♭7に決まってるじゃない」
そうすると「残念でした」と言うように、
カプちゃんは、さりげなく予想しない行動をする。
「フィナーレ」(Op.40-No 8)47小節目を見よう。
<47〜50>
| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | B♭7 |
まず当たり前の基本動作だ。
この後(次の小節)は、当然「E♭」(トニック)へ。
当然の現象、結果を見せておく。(聞かせる)
ここから、いよいよ「カプースチン・マジック」だぞ。
4小節後、<55〜58>を見てくれ。
| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | Am7 D7 |
何と!今度は「Am7 D7」ではないか。
そして次の小節、先程は「E♭(トニック)」だったが
今度は、トニックの代理コード「Gm7」になっている。
| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | Am7 D7 |
| Gm7 | C7 | Fm7 | B♭7 |
メチャクチャではなく、ちゃんと必然性があるんだね。
☆
もう少し学びたい人は、再現部でも同じだ。
同じ曲の中で、今度は
「キーF」になっているのもマジック!
<133〜136>
| Gm7 | Am7 | B♭M7 | C7 | 〜(当たり前現象)
<141〜144>
| Gm7 | Am7 | B♭M7 | E7 |〜(あら不思議現象!)