2009年09月11日

「24のプレ〜」Op.53-20(1)

カプースチン
「24のプレリュード 作品53」
    第20番(プリズム版 96ページ)

今回は、第20番を学びましょう。

「ジャズ・バラード」で、しかも
 たった2ページ!(前回の第5番と同じ)。

「難易度表」も
 1番易しいランクに入っているので、
   誰でも(がんばれば?)弾けると思う。

 (でも、ジャズ理論的には複雑ですが…)

   <形式>

「A1」  1〜10(10)

「A2」  11〜18(8)

「Coda」 19〜21(3)

   <コード進行>

   「A1」 1〜10

|| Cm G7(Bass C) | Cm C♭7 |

| A♭(Bass B♭) B♭7 | E♭m6 B♭(Bass D) |

| C♯m7 C♯m7(♭5) F♯7 | C♯m7(♭5) F♯7 |

「2/4」
| BM7 E♭m7 | Fm7 B♭7 | E♭M7 |

「4/4」
| Dm7(♭5) D♭7 ||

   「A2」 11〜18

|| Cm G7(Bass C) | Cm C♭7 |

| A♭(Bass B♭) B♭7 | E♭m6 B♭(Bass D) |

| C♯m7 C♯m7(♭5) F♯7 | * Gm6 * A7 |

| DM7 G♯m7 D♭7 |

「2/4」
| * G7 |

   「Coda」 19〜21 

「2/3」
| E♭ G♭ E A♭ |

「2/4」
| *  G7 |

「4/4」
| B♭/Cm ( Gm7/Cm - Dm7/Cm ) ||

この曲は、理論的に複雑なので、
  詳しい解説をしようと思っています。


posted by テル先生 at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 「24のプレリュード」op.53 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月10日

「24のプレ〜」Op.53-5(1)

カプースチン
「24のプレリュード」作品53(プリズム版)

第5番 キーD ラルゴ
    (42〜43ページ)です。

以下の分析は「〜夢実現法」(ブログ)に
  07.3.22日、投稿したものです。

ほんの一部ですが修正しました。

以前これを読んだ人も復習しましょう。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2007年03月22日

ジャズ・バラードを弾こう!
今回は「ジャズ・バラード」を弾きましょう。

「何と、たった2ページしかありません」
しかも、作曲者本人の短い解説によると、
「極度に圧縮されたソナタ形式」だそうです。

「何、これがソナタ形式?」

「う、う、うそでしょう!」という感じです。

分析してみると、
本当に「極度に圧縮されたソナタ形式」でした。

しかし、完全に「ジャズ・バラード」でもあります。

川上先生が作ってくれた「難易度表」でも
 1番易しいランクになっているので、
   誰でも(がんばれば?)弾けると思います。

あなたは立派なジャズ・ピアニストになった気分に、
  きっと、なれま…「す」。(「せん」かな?)

         ☆

「全体の構成」と「コード進行」を楽譜に書き込んで、
ソナタ形式を理解しながら弾いて下さい。

♪「全体の構成」

<提示部>

[ A ]第一主題(1〜5)
[ B ]第二主題(6〜7)

<展開部>

[ C ](8〜11)

<再現部>

[ A ]第一主題(12〜14)
[ B ]第二主題(15〜16)

<コーダ>
(17〜18)

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

♪「コード進行」

<提示部>

[ A ]第一主題(1〜5)

|| E♭M7 A♭M7 | A7 D7 | G7 F♯7 |

| * Bm7 | * Em7 E♭7 A7 ||

* 4小節目は、
B7(4)でもいいような気もしたのですが、
ソナタ形式ならば主調に関係ある短調かな?
と思い Bm7 で解釈しました。(考え過ぎかも?)

* 5小節目は、Em7 が8分音符、E♭7が1拍半、
残りの約2拍分がA7です。

[ B ]第二主題(6〜7)

|| D7   Am7(Bass D) | D7   G7 ||

<展開部>

[ C ](8〜11)

|| C7   F7 | B♭M7   A♭M7 | D♭M7   G7 |
| * Em7   Fm7 B♭7 ||

*11小節目は、Em7 が2拍、あとは1拍ずつです。

<再現部>

[ A ]第一主題(12〜14)

|| E♭M7 A♭M7 | A7   D7 | *GM7   Em7 A7 ||

*14小節目は、GM7が2拍、あとは1拍ずつです。

[ B ]第二主題(15〜16)

|| D7   G7 | D7   G7 ||

<コーダ>(17〜18)

|| * F♯m7(♭5) F7 E7  G(Bass A) E♭M7 |

| D7 ||

*17小節目は、コードが5つもあります。
左手のベース音と照らし合わせて書き込んで下さい。

     ☆      ☆

各小節内で行われている
「細かいコードの動き」に関しては省略しています。

例えば
<展開部>1小節目(全体の8小節目)

| C7 F7 | を正確に書くと、

|  C7(4)  C7 F7(4)  F7  |

*(4)も、正しくは(sus4)と書きます。

または、

| Gm7(Bass C)  C7  Cm7(Bass F)  F7 |

以上のようになるのですが、
わかる人には当たり前のことですし、
初心者に対しては
あまり複雑にしてもいけないと思い
省略しています。

このままでも問題ない範囲で書いていますので、
あとは自分で分析して下さい。

詳しい内容は、解説の時にしようと思っています。

今の段階は、
コード進行を書き込んで楽譜を弾いたり、
眺めていて下さい。

それだけでも勉強になります。
「勉強の仕方」も近い内に話す予定です。

少しでも分析出来る人は、、
これだけのヒントを与えれば充分過ぎるはずです。

ぜひ、細かいことまで研究して下さい

では、ジャズ・バラードの雰囲気を楽しんで下さいね。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ここまでが、07.3.22日に投稿したものです。

私も読み直して復習しています。

本文で「詳しい内容は、解説の時に〜」
 と書いていますが、なかなかやりませんので、
  今度こそは実行しようと思っています。
posted by テル先生 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 「24のプレリュード」op.53 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月09日

ちょうど2週間が経過!

「毎日、カプースチン分析を書くぞ!」
    と宣言し、実行に移して
   ちょうど2週間が過ぎました。

先月(09.8.26)水曜日は、
「ガラスの仮面」第44巻の発売日。

この記念すべき日からスタートしよう
  と、以前から決めていました。

そして今日(09.9.9)水曜日は
 スリー・ナインで、また記念日です。

今日は、3回目の水曜日ですから
 3週間目のスタートを切るわけです。

本日、投稿したのは、久し振りに
「24のプレリュード」作品53から
   第12番「G♯m」です。

「24のプレリュード」は、
別のブログ「〜ジャズピアノ夢実現法」で
すでに何曲も分析していたのですが、まだ
 このブログに持って来ていませんでした。

これから、その作業もやっていく予定です。

第12番は(確認していませんが)
    多分、初めての投稿だと思います。

過去記事も、見直し、整理しながら
   こちらに投稿していきますので、
この機会に以前からの読者も復習しましょう。

それから新しい分析もどんどん書きます。

出来る限り毎日投稿しますので、
読者と共に作品の面白さを楽しみながら、
音楽的に向上していけたら…と思います。

あなたの近くにいるカプースチン・ファンや、
カプースチンを知ってほしいと思う人などに、
 このブログを読むように、
     ぜひ勧めてほしいと思っています。

よろしくお願いしますね。

これからもカプースチンに沢山のことを教わり、
  みんなで楽しく音楽を学んでいきたいです。
posted by テル先生 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | テル先生の研究日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「24のプレ〜」Op.53-12(1)

「24のプレリュード」作品53
    (プリズム版)
第12番 G♯m アレグレット

この曲は「キーG♯m」なのですが、
最初に「キーGm」でコード進行を
練習しておくとよく理解出来ますよ。

<キーGm>
「A1」
| Gm | Gm | C7 | C7 B♭7 |

| A7 | D7 | Gm | Gm |

「B1」
| Dm7(♭5) | G7 | C7 | F7 |

| B♭M7 | E♭M7 | A♭M7 | D7 | 〜

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<イントロ 1>1〜8(8)

<第1部>

「A1」9〜16(8)
「B1」17〜24(8)

<イントロ 2>25〜32(8)

「A2」33〜40(8)
「B2」41〜48(8)

<第2部>

「C1」49〜56(8)
「D1」57〜64(8)

<第1部>

「A3」65〜72
「B3」73〜80

<イントロ 3>81〜92(12)

<コーダ>93〜96(4)

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  <イントロ 1>1〜8(8)

 「G♯m」 〜8小節〜

    <第1部>

「A1」9〜16(8)

| G♯m | G♯m | C♯7 | C♯7 B7 |

| A♯7 | D♯7 | G♯m | G♯m |

「B1」17〜24(8)

| D♯m7(♭5) | G♯7 | C♯7 | F♯7 |

| BM7 | EM7 | AM7 | D♯7 |

  <イントロ 2>25〜32(8)

 「G♯m」 〜8小節〜

「A2」33〜40(8)

| G♯m | G♯m | C♯7 | C♯7 B7 |

| A♯7 | D♯7 | G♯m | G♯m |

「B2」41〜48(8)

| D♯m7(♭5) | G♯7 | C♯7 | F♯7 |

| BM7 | F7 | B♭M7 | B♭M7 |

    <第2部>

「C1」49〜56(8)

| E♭m7 | Cdim B7 | EM7 E7 | E♭ Em7 |

| Dm7 G7 | Gm7 C7 | FM7 A7/E♭ | D7(4) D7 |

「D1」57〜64(8)

| BM7 (E/B) | Fdim | E♭m/G♭ | E♭m E♭m7/D♭ |

| Cm7(5) C♭7 | C♭7 F7/B♭ | B♭ E♭7 | D♯7 |

    <第1部>

「A3」65〜72(8)

| G♯m | G♯m | C♯7 | C♯7 B7 |

| A♯7 | D♯7 | G♯m | G♯m |

「B3」73〜80(8)

| D♯m7(♭5) | G♯7 | C♯7 | F♯7 |

| BM7 | EM7 | AM7 | D♯7 |

  <イントロ 3>81〜92(12)

 「G♯m」 〜12〜

  <コーダ>93〜96(4)

|(G) C F/A | B♭ E♭/G | G♯m | G♯m |

コーダ最初の「G」は、前小節の最後に
 「F##=G」(ファのダブル♯あり)
posted by テル先生 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 「24のプレリュード」op.53 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月08日

「ソナティナ」Op.100(3)

今回は「ソナティナ」の詳細な解説をしましょう。

楽譜は、
カプースチン
「ピアノアルバム 1」
  (プリズム版) 66ページ〜71ページ

まず、<提示部>からです。

 【A1】 1〜8(8)<第1主題 1>

| G | C/G C♯dim/G | G | G7 |

| C7 | G | Am7(♭5) D7(4) D7 | G |

<1〜3小節目>

最初の1〜3小節目までのコード進行は、
  本来なら以下のようになります。

| G G7/B | C C♯dim | G/D |〜

ジャズで必ず使われる誰でも知っている進行です。

ベースが「ソ、シ、ド、♯ド、レ」
       というラインを弾きます。

ところが「ソナティナ」では、
メロディーに以下のラインがきていますね。

  |ソ、シ|ド、♯ド|レ|

これでは、ベース・ラインと重複するので、
 私はベースを「G」のペダルにして〜

 | G | C/G C♯dim/G | G |

  というコード進行を書きました。

ちょうど左手メロディーに出て来る「ソ」の音が
 低音で「Gペダル」のように聞こえなくもない?

ですから、
これは私のアレンジになってしまうかもしれません。

わたしは、
ジャズのピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)で
演奏した時のことを想定して「G」のペダルにしたのです。

次の話は、逆説的になりますが、

「メロディーとベースをあえて重複させてもいい」

という考えもあります。
(人によって、または時と場合によって違います)

そうすると、この3小節の正しい分析としては

見たままを、そのまま書くなら

| G | C C♯dim | G |

    または、
 
| G G/B | C C♯dim | G/D |

これが典型的なコード進行ですから、
ベースと重複しても、これが1番良いかもしれません。
   (「G」ペダルにするか、悩むところですが)

1小節目の「G/B」は、
普通なら「G7」がよく使われますが、
カプースチンは意図的に使いませんでした。

なぜ?

次の4小節目で登場させる「G7」を
効果的に聴かすために、あえて封印したのです。

それで
1小節目には「ファ=♭7」がありませんので
      「G/B」になります。

3小節目「G/D」のベースは指定されていませんが、
前の小節でベースが「C(ド)→C♯(♯ド」と来れば
 次は必然的に「D(レ)」に行くことになりますので
   「G/D」と書くのですね。

ついでに「アレンジの話」になってしまいますが、

| G | Am7 A♯dim | G/B  | でも合いますし、

         さらに

| G Em7 | Am7 A♯dim | G/B | でも合いますよ。

この2つのコード進行だとメロディーと重複しないで、
同じような効果があります。弾いてみて下さいね。

          ☆

たった3小節にコードネームを書くだけなのですが
   こうやって遊ぶと楽しくありませんか。

「どれを選ぶか」は、実際に弾いてみて、
あなたが1番いいと思うコード進行を書き込んで下さい。

あるいは、全部書いておいて、同じメロディーでも
 いろいろなコード進行が付けられることを学んで下さい。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<4小節目>

ここは、メロディーに「♯ファ、ソ」しかありませんね。

「♯ファ」なのだから、コードは「GM7」では?
     と思った人がいるかもしれませんね。

ここは完全に「G7」なんですよ。

なぜ、わかるのか?

前小節(3小節目)最後の音を見て下さい。

右手の「ファ」だけでもわかるのに、さらに
左手に「シ」まで書いてくれていますよね。

ジャズでは、次の小節の音を半拍前に出すのは常識。

分析する時、その小節内のすべての音を調べると同時に
  前後の小節の音も調べることがすごく大切なのです。

この4小節目の場合を例にすると、
前の小節にある最後の「シ、ファ」は「G7」の「三全音」。

さらに次の小節(5小節目)に「C7」があるので、
     その「C7」に行くための「G7」なのです。

ですから4小節目のメロディー「♯ファ」は、
「ソ」に解決している装飾的な音(アプローチ・ノート)です。

以上の理由で、この小節は「G7」であることが確定します。

<小節内の音と前後の小節からコードを判断すること>

ぜひ覚えておいて下さい。

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<5小節目>

「C7」=下から「♭7,9,3、5」

ジャズでは、ごく普通に使います。

<6小節目>

「G」=下から「3,5,6,1」

ジャズでは「♭7コード」でない限り、
   「G」と書いてあったら
「6」や「M7」を入れるのは当前です。

この小節で注目すべきは
  4拍目の「Am7(♭5)」ですね。

<7小節目>

次の小節のコードを半拍前に出すことを説明しましたが、
ここでは「1拍前」に使っています。

「このコード<Am7>じゃないの?」
   と思う人がいるかもしれませんが、
      右手メロディーに「♭ミ」がありますよね。

左手コード「ラ、ド、ソ」と、
 右手メロディー「♭ミ」を合計すると
  「ラ、ド、♭ミ、ソ」で
  「Am7(♭5)」が確定するのです。

この7小節目の「レ、ソ」は?

クラシックでよく出て来るドミナント「D7」の前に置く
「G/D」(つまり「G」)では?と思った人いますか?

これは左手「レ、ソ」、右手「ラ、ド」を合計すると、
「レ、ソ、ラ、ド」で「D7(sus4)」に確定されます。

ここは位置的にトニックの前ですからドミナント。

次にある「ド、♯ファ」が本当の「D7」です。

<8小節目>

この小節はコードがないように見えますが、
よ〜く見るとありますよね?

前小節の4拍目裏「シ、レ、ミ」が「G」です。

「半拍前に出すのは当然」という話しましたよね。

押さえ方は6小節目の「G」と同じですが、
 右手メロディーで「ソ」を弾くので、
   左手は下の3声だけ弾けばいいのです。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

疲れましたか?
この8小節のコード進行について
まだ言うことがあるのですが、もうやめましょう。

最後に、少しだけメロディーについて。

4小節目の「♯ファ、ソ」を3回、5小節目も同じ。

そして、6小節目も同じように…と思わせておいて、
2回しかやらない。そして、すぐ「レ、♭ミ」2回に…。

これも、最近話しました「カプースチン・マジック」。

同じものを2回聴かせておいて、
「次もやるよ」と見せ掛けて途中でころっと裏切る。

コード進行、メロディー、リズム、あらゆるところで
  カプースチンはワナを仕掛けてくるんですね。

それに、コロッと騙されてしまうのも、また快感で、
  カプースチン音楽の変則的楽しみ方なんですよ!

いつも騙されて喜んでいるテル先生って、
     「ちょっと変…?」
posted by テル先生 at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 「ソナティナ」op.100 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月07日

「ソナティナ」Op.100(2)

前回の時に形式を学んだので、
  今回は、コード進行を書き込んでいこう。

解説は、次回する予定だ。

楽譜は、
カプースチン
「ピアノアルバム 1」
  (プリズム版) 66ページ〜71ページ

CDは、
カプースチン本人のものはありませんが、
以下の2枚に収録されています。

☆川上 昌裕
「カプースチン ピアノ作品集 2」

☆マルク=アンドレ・アムラン
 「NIKOLAI KAPUSTIN PIANO MUSIC」

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   〜 提示部 〜

 【A1】 1〜8(8)<第1主題 1>

| G | C/G C♯dim/G | G | G7 |

| C7 | G | Am7(♭5) D7(4) D7 | G |

 【A2】 9〜18(10)<第1主題 2>

| G C | C♯dim D7 | D7 | Am/G G |

| G/B | Am/C E♭/C♯ | D7 G | D7 G |

| D7 G D Am7 | D |

 【B1】 19〜28(10)<第2主題 1>

| D | E7 | A7 | D7 |

| G G♯dim | Am6 B7 | Em7 A7 | B7(4) B7 F7 |

| Em7(♭5) | D/A  E7/A  A7 |

 【B2】 29〜44(16)<第2主題 2>

| D | Em7(♭5) A7 | D | Em7(♭5) A7 |

| D A7/E D7/F♯ | G G♯dim | Am6 C7 B7 | E7 A7 |

| D D7/C | G/B B♭7 | D/A | E7/A A7 |

| D E7/D A7/D | D E7/D A7/D | D A7(4) | D |

注、
最後の小節に繰り返しの「カッコ 1」(44小節目)
 があり、「カッコ 2」は45小節目になるので、
   展開部は、46小節目から始まる。

  〜 展開部 〜

 【C1】 46〜53(8)

| Dm | E7 | Am E7(4) | Am |

| Cm | D7 | G Em7 E♭7 D7 | G |

 【C2】 54〜63(10)

| G | B7 | Em7 | G7 |

| C | F♯7 | Em/B A♯dim/B B7 | Em |

| Dm7 | G7 |

  〜 再現部 〜

 【A2】 64〜73(10)<第1主題 2>

| C F | F♯dim G | G7 | G7/C C |

| G/B | Am/C C♯dim | D7 G | D7 G |

| D7 G D Am7 | D |

 【B2】 74〜83(10)<第2主題 1>

| G | A7 | D7 | G7 |

| C C♯dim | Dm6 E7 | Am7 D7 | E7(4) E7 B7 |

| Am7(♭5) D7 | G/D  A7/D  D7 |

 【B2】 84〜95(12)<第2主題 2>

| G | Am7(♭5) D7 | G | Am7(♭5) D7 |

| G Am7 G7/B | C C♯dim | Dm6 F7 E7 | A7 D7 |

| G G7/F | C/E E♭7 | G/D | D7(4) (A♭/D) |

 【A1】 96〜103(8)<第1主題 1>

| G | C/G C♯dim/G | G | G7 |

| C7 | G | Am7(♭5) | E♭7 D7(4) D7 |

  〜 終始部  〜

 【 Coda 】 104〜107(4)

| G  A/G  A♭/G | G  B♭/G  A/G  A♭/G |

|  G  | F7 (F♯) G7 |
posted by テル先生 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 「ソナティナ」op.100 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月06日

カプースチンの「冗談」(2)

カプースチン「冗談」の第2回目を学びましょう。

ブルースを発展させる方法の勉強になります。

チャーリー・パーカー「コンファメイション」も登場。

「8つの演奏会用エチュード」(作品40)
  第5曲目「冗談」(Op.40-No 5)
  (プリズム版 58〜64ページ)

前回は、3コーラス目まで学んだので、
     今回は4コーラス目から始めます。

実は、3コーラス目と4コーラス目は
       同じコード進行なんです。

ここで、前回までの復習をしておきましょう。

1〜2コーラス目は、同じコード進行でした。

 [1]  9〜20 (12)
 [2] 21〜32 (12)

| D7 | D7 | D7 | D7 |

| G7 | G7 | D7 | D7 |

| A7 | G7 | D7 | A7 |

ブルースのもっとも基本的なコード進行です。

これに対して
 3〜4コーラス目は、発展させた進行になります。

 [3] 33〜44 (12)
 [4] 45〜56 (12)

| D7 | G7 | D7 | D7 |

| G7 | C7 | D7 | D7 |

| B♭7 | E♭7 A7 | D7 | A7 |

さて、1と2が同じ、3と4が同じ、ということは、
    5と6コーラス目も、ひょっとして同じかな?

「どう思いますか?」

わかりますよね。ファンの人は…。

同じものを、2回ずつ(わざと)見せておく。

そして、
お膳立てが調ったところでマジックが始まる。

「ああ、ワクワクするなあ」

今回は、どんなマジックを見せてくれるのかな。

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

5コーラス目のコード進行を調べましょう。

 [5] 57〜68(12)

| D7 | D7 G7 | D7 | E♭m7 A♭7 |

| G7 | G7 | D7 | D7  Bm7 B♭7 |

| A7 | G7 | D7 | A7 |

「あれ〜、ほとんど基本に戻っているね」

4小節目、本来は「D7」ですが、
「A♭7」は「D7」の代理コード。
(前回学びましたね。裏コード)

「E♭m7」は、「A♭7」のUm7 です。

表のUm7 X7 「Am7 D7」に対して、
裏のUm7 X7「E♭m7 A♭7」になります。

カプースチンは、裏のUm7 X7 もよく使います。

8小節目は、次の「A7」に行く「Um7 X7」。

「Bm7 E7」ですが、「E7」を裏にして「B♭7」

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

5コーラス目で単純化した後、
 6コーラス目は、いったいどうなるんでしょうね。

単純化?複雑化?どちらだと思いますか?

な、な、なんと、両方なんです!

相反するものを両立させるなんて
    はたして本当に出来るのでしょうか?

 [6] 69〜82(10+4=14)

このコーラスは12小節ではなく
         14小節になっています。

11小節目「D7」が4小節引き延ばされています。

| D7 | C♯m7(♭5) F♯7 | Bm7 | Am7 D7 |

| G7 | G7 | D7 | D7 |

| A7 | G7 | D7 | D7 | D7 | D7 |

ここで注目すべき進行は、1〜4小節目ですね。

これが複雑化。

それに対して、5小節目からは
1〜2コーラス目の基本の進行に戻しています。

これが単純化。

さて、1小節目の「トニック」から
5小節目「サブドミナント」へ行く有名なコード進行。

チャーリー・パーカーの「コンファメイション」
       を知っていますか?

セッションでよく演奏するパーカーの代表作です。

ジャズを演奏する人なら必修課題曲として有名。

「Confirmation」 Charlie Parker

| F | Em7(♭5) A7 | Dm7 G7 | Cm7 F7 | B♭7 |〜

この進行を「キーF」から「キーD」に移調します。

☆パーカー「コンファメイション」

| D | C♯m7(♭5) F♯7 | Bm7 (E7) | Am7 D7 |

☆カプースチン「冗談」

| D7 | C♯m7(♭5) F♯7 | Bm7 | Am7 D7 |

よ〜く見て下さいよ。

3小節目の「E7」がないだけですね。
パーカーの曲も出版社によっては
         「E7」がない譜もありました。

とにかく、
 この進行は有名なので12キーで練習して
    いつでも弾けるようにしています。

カプースチンは、この4小節を活かして
その後は基本のコード進行に戻していますね。

しかし、楽譜やCDでわかるように、
コード進行は単純化しても、他の要素、リズム、
左手の伴奏で変化を付けて展開させています。

最後の「D7」を4小節に引き延ばしたのは、
アドリブ・コーラスの終わりであると同時に、
次の7コーラス目からテーマに戻るので、
イントロ的な意味も持たせています。

本当のイントロ(1〜8)は8小節でしたから、
  ここでは半分の4小節にしたのでしょう。

それも、
カプースチンがよく使うトリッキーなリズム遊び。

これこそ本当にマジックみたいじゃないですか!

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、アドリブ・コーラスを盛り上げておいて、
 7コーラス目でテーマに戻り静かに終わる。

…と思ったら、とんでもない、とんでもない。

私たちは、またも裏をかかれることに…。

う〜ん、カプースチンを相手にする時は
          絶対に油断しちゃダメ。

    この続き、お楽しみに!
posted by テル先生 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 「8つの演奏会用〜」op.40 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月05日

カプースチンの「冗談」(1)

今回は、カプースチンの「冗談」を学ぶ。

「冗談を学ぶ」と言っても、
カプースチンと川上昌裕先生が
メールで冗談を言い合っている話の報告ではない。

「冗談」という曲(Dブルース)の分析をするんだよ。

この曲は「8つの演奏会用エチュード」(作品40)
に収録されている第5番目の曲なんだ。
 コード進行は単純なんだけど、楽譜は複雑。

8つの演奏会用エチュード 作品40(プリズム版)

CDを聴くと、もっと複雑で難解だ。

自作自演集「8つの演奏会用エチュード」

「どこを弾いているのか、まったくわからない?」

いや、仮に最初わかったとしても、
         途中で必ず小節を見失うだろう。

これが、カプースチンの高級な「冗談」なんだね。

一流の高級な「冗談」に大衆はついていけない。

しかし、それを分析、解明し、解説するつもりだ。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回は、曲の形式、全体の構成、
     そしてコード進行を途中まで学ぼう。

「8つの演奏会用エチュード」(作品40)
  第5曲目「冗談」(Op.40-No 5)
  (プリズム版 58〜64ページ)

ブルースは、1コーラス12小節で出来ている。

1小節目の上に<イントロ>と書いたら、
   各コーラスが始まる小節の上に
     「1」〜「8」の番号を書き込んでおこう。

Intro 1〜8 (8)

[1]  9〜20 (12)

[2] 21〜32 (12)

[3] 33〜44 (12)

[4] 45〜56 (12)

[5] 57〜68 (12)

[6] 69〜82 (10+4=14)

[7] 83〜94 (12)

[8] 95〜108 (10+4=14)

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

出来たかな?

それでは、コード進行を書き込もう。

[ I ntro ] 1〜8

| D7 | (〜8〜)

まず「イントロ」の8小節は、すべて「D7」なので、
1小節目の上だけに「D7」と書いておけばいい。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1コーラス目は、ブルースの基本コード進行だ。

 [1] 9〜20(12)

| D7 | D7 | D7 | D7 |

| G7 | G7 | D7 | D7 |

| A7 | G7 | D7 | A7 |

最後の小節(20)「A7」を正確に書くと「E♭/A7」。

「A7」の上に「E♭」の3和音が乗っているよね。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2コーラス目も基本的なブルースのコード進行だ。
1コーラス目と同じだね。 

 [2] 21〜32(12)

| D7 | D7 | D7 | D7 |

| G7 | G7 | D7 | D7 |

| A7 | G7 | D7 | A7 |

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

当たり前のブルースを2コーラス聴かせておいて、
3コーラス目から「カプースチン・マジック」が始まる。

この3コーラス目と1〜2コーラス目は、
 どこが違うのか?よく比べてみよう。

 [3] 33〜44(12)

| D7 | G7 | D7 | D7 |

| G7 | C7 | D7 | D7 |

| B♭7 | E♭7 A7 | D7 | A7 |

2小節目「G7」
古いブルース以外は、ここで当然「W7」を使う。
セッションなどでも当たり前なので覚えておこう。

6小節目「C7」
これも、よくやるかな。2小節目「G7」は必ずだけど、
   これは「時によって」ぐらいの感じかな。
サブドミナント・マイナー「Gm6」の代理コードだね。

さて、3コーラス目の注目するべきコードは、
   9小節目「B♭7」と、10小節目「E♭7」だな。

「E♭7」は、「A7」(ドミナント)の代理コードだ。

ドミナント♭7・コードの減5度上のドミナント♭7が
代理コードになる。

なぜ?

♭7コードの特徴である大切な音(三全音)、
     3と♭7が共通だからだ。

「A7」の3度(♯ド)、♭7度(ソ)

「E♭7」の3度(ソ)、♭7度(♭レ)

まったく同じ音だよね。異名同音だけれど。

次に「B♭7」は、何だろう?

何でこんなところで使えるの?

これは「A7」(ドミナント)に行くための「E7」だね。

セカンダリー・ドミナント(第2のドミナント)の1つ。

ジャズでは、ファイブ・オブ・ファイブ。
クラシックの和声学では、ドッペル・ドミナント。

その「E7」の代理コード(減5度上)が「B♭7」なんだ。

日本では、この関係(ドミナントの代理)のことを
俗に「裏コード」って言うんだ。

話を整理しよう。

ここの本来のコードは

| E7  | A7 | D7 |

|U7 |X7|T7|

まず「A7」を代理コードにする。

|E7 |E♭7|D7|

次に「E7」も代理コードにする。

|B♭7|E♭7|D7 |

「裏のドミナント・モーション」が出来上がりだ。

カプースチンは頻繁に裏コードを使うんだよ。
 そして、みんなの「裏をかく?」わけなんだ!
posted by テル先生 at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 「8つの演奏会用〜」op.40 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月04日

コード進行のマジック!

「カプースチン・マジック」の続きを話そう。

昨日(前回)の話には、まだ続きがあるのだ。

前回の話を読んでいない人は、
この記事のすぐ下にある記事から読むといい。

気楽なジャズ理論エッセイとして
 今回も楽しんでくれたらいいと思っている。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、今回も「フィナーレ」(Op.40-No 8)から学ぶ。

提示部(キーE♭) [B2] 55〜62

  | Fm7 | Gm7 | A♭M7 | Am7 D7 |

  | Gm7 | C7 | Fm7 | B♭7 |

上に書いた前半4小節は、すでに前回学んだね。

今回は、後半の4小節を学ぼう。

| Gm7 | C7 | Fm7 | B♭7 | 次は→E♭(トニック)

トニック(E♭)に向かって完全4度(上行)の進行。

ジャズでは典型的な、ごく当たり前の進行だよね。

私の生徒なども普段から12キーで練習している。

私が「カプースチンの曲は覚えやすい」と言う意味は
ジャズ理論でバッチリとつながっているからなんだ。
(ピアノのテクニック的なことは別にしての話だよ)

ジャズの曲を何百曲でも覚えられるのは、
       理論的に理解して覚えるからなんだ。

この例の場合、「Gm7」を弾けば、後のコードは
  見なくても勝手に手が弾いてしまうんだよ。

キーは何でも同じように弾ける。

例えば、カプースチンの「フィナーレ」、
再現部では「キーF」に転調して出て来るんだけれど、

| Am7 | D7 | Gm7 | C7 |→F(トニック)

こうなるはずだよね?

さて、ここから本題に入るよ。

「カプースチン・マジック」だ。

| Am7 | D7 | Gm7 |  ?  |→F(トニック)

カプースチンは3小節目まで聞かせておいて

「さあ、次のコードは何かな?」

と問い掛けてくるんだ。

  | Am7 | D7 | Gm7 |  ?  |

当然、ジャズ理論の初心者は、

「♪バカにしない〜でよ〜。C7でしょう」と歌う。

ところが、ところが、カプちゃんは、
いつものようにさりげなく別のコードを弾くんだ。

「さあ、何を弾くだろう?」

考えてほしい。

次のコードは、「F」(トニック)に行っている。

つまり  | Gm7 | ? | F | となっている。

すぐに思い付くのは
 「C7」の代理コード「G♭7」だけれど、
   今回は違う。別の可能性を考えてくれ。

「さあ、何だろう???」

ここで、しばらく考えようぜ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カプースチンはね、
  他の曲でも後半は同じことをやらないんだ。

必ず「一ひねり、二ひねり」いや、もっとかな?

それが、スッゴク面白くて、勉強になるんだね。

さあ、ここで、答えを教えよう。

カプースチンは、次のように弾いているんだ。

  | Am7 | D7 | Gm7 | G♭M7 |

「フィナーレ」(145〜148)

何と、「G♭M7」だ!

「C7」の代理コード「G♭7」ではないからね。

よく見てよ。「G♭M7」だ。

つまり、ドミナントではなく、
  サブドミナント・マイナー系のコードになる。

ドミナントでも説明出来ないことはないけれど、
ちょっと複雑になる。

C7(sus4) (♭9) 系の代理と言えばわかるかな?

何?余計にわからなくなったって…!

いいよ、いいよ、今は、それでいい。

わかってほしいのは、カプースチンは「一ひねり」
   「二ひねり」するということなんだ。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回、あなたに伝えたいこと。

それは、カプースチンの曲でも、ジャズの曲でも、

       曲の覚え方のコツだ。

☆典型的なコード進行は、
        普段から12キーで練習しておく。

☆あとは今回学んだように、その曲の特徴的な部分、
   「一ひねり」の部分だけをポイントで覚えていく。

ジャズ理論を学べば、
  ピアノの練習時間がかなり短縮出来ると思う。

特に、スタンダード曲と、カプースチンの作品はね!
posted by テル先生 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | カプースチン技法の分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月03日

カプースチンは奇術師!

「カプースチン・マジック」と言う学説がある。

この学説を誰も知らないのは当たり前で、
今ここでテル先生が発表するからである。

世界初の大変貴重な、重大な発見であり、
地球人類の魂の進歩向上に貢献する説
である。(かもしれないのであるが…?)

「あ、ちょっと大げさだったかな?」

カプースチン分析研究結果発表小論文、
  または、気楽なジャズ理論エッセイ
           として読んでみてね。

          ☆

私は中学3年生の時、音楽家になる決意をした。

しかし、その1〜2年前、中学1年生の時は、
何と!本気で奇術師になるつもりだったのである。

奇術師の基本動作と言うべきことがある。

最初に当たり前の動作(現象)を見せる。

そして次に同じ動作をすると、あら不思議!

となるのだ。

これと同じことを、カプースチンはよくやる。

具体的に説明しよう。

例えば、キーE♭

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | B♭7 |

ジャズでよく使うコード進行だよね。
    (ダイアトニック・コード進行)

この進行をまず見せる。(聞かせておく)

そして4小節後に、もう1度〜

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 |  ?  |

このように聞かせてから

「さて次のコードは?」と〜。

当然、あなたは自信をもって答える。

「バカにしないでよ。B♭7に決まってるじゃない」

そうすると「残念でした」と言うように、
カプちゃんは、さりげなく予想しない行動をする。

「フィナーレ」(Op.40-No 8)47小節目を見よう。

<47〜50>

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | B♭7 |

まず当たり前の基本動作だ。
この後(次の小節)は、当然「E♭」(トニック)へ。

当然の現象、結果を見せておく。(聞かせる)

ここから、いよいよ「カプースチン・マジック」だぞ。

4小節後、<55〜58>を見てくれ。

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | Am7 D7 |

何と!今度は「Am7 D7」ではないか。

そして次の小節、先程は「E♭(トニック)」だったが
今度は、トニックの代理コード「Gm7」になっている。

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | Am7 D7 |

| Gm7 | C7 | Fm7 | B♭7 |

メチャクチャではなく、ちゃんと必然性があるんだね。

           ☆

もう少し学びたい人は、再現部でも同じだ。

同じ曲の中で、今度は
 「キーF」になっているのもマジック!

<133〜136>

| Gm7 | Am7 | B♭M7 | C7 | 〜(当たり前現象)

<141〜144>

| Gm7 | Am7 | B♭M7 | E7 |〜(あら不思議現象!)
posted by テル先生 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | カプースチン技法の分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月02日

「フィナーレ」Op.40-No 8(2)

「フィナーレ」Op.40-No 8 
  分析の続き。第2回目ですね。

今までに学んだのは、

イントロ(序奏) 1〜4

[A] 第1主題  5〜46
[B] 第2主題 47〜62

今回は、この後なのですが、
[C] と言っていい部分です。

[A] でも、[B] でもないので、[C] です。

まず、[C1] は、「キーE♭」ですが、
[C2] は完全5度上に転調して「キーB♭」になります。

特徴的な点は、
  どちらも最初の2小節は同じモチーフ。
     その後は自由な変奏になります。

この特徴は再現部でも同じで、
 ここでは「キーF」で現れて、
  次に完全5度上の「キーC」で出て来ます。

やはり、どちらも最初の2小節は同じモチーフですね。
 (今回は、そこまで進みませんが研究して下さい)

[C1] 149〜|F | B♭ Am7 |〜

[C2] 157〜| CM7 | FM7 Em7 |〜

それでは
今回は、以下の小節までコードを書き込んで
じっくり研究してみて下さい。

[C1] 63〜70(8小節)

| E♭M7 | A♭M7 Gm7 | Fm7 | B♭7 |

| E♭7 | A♭m7 D♭7 | G♭M7 | C♭M7 |

   [C2] 71〜78(8小節)

| B♭M7 | E♭M7 Dm7 | Gm7 C7 | F7(4) F7 |

| (B♭M7) B♭7 | E♭m7 A♭7 | D♭M7 | G7 |

この後は
再現部まで、ドミナントが続きます。

次回は、そこから始めます。
posted by テル先生 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 「8つの演奏会用〜」op.40 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

「フィナーレ」Op.40-No 8(1)

「フィナーレ」Op.40-8

「夢」(Op.40-No 2)を分析するには
 「フィナーレ」(Op.40-N0 8)を
   知らなければならない。

そこで「フィナーレ」も
    分析することにしました。

昨夜、話題にしました第2主題は、

[B1] 47〜 と [B2] 55〜 です。

それぞれの2小節前にも、

問題の

 | D/C | Cm7 | が、ありますよね。

区切るところは、
「Cm7]の後でいいと思うのですが…?

各自、研究して下さい。

  [ I ] 1〜4

| Fm Gm/F | A♭/F B♭/F |

| Fm Gm/F | A♭/F B♭/F |

  [A1] 5〜12(8)第1主題

| Fm7 | Fm7 C7 | Fm | B♭/C |

| Fm7 | Fm7 | B♭7 | B♭7 |

  [A2] 13〜24(12)

| B♭m7 | B♭m7 E♭7 | A♭M7 | D♭M7 |

| Dm7(5) | G7 | CM7 | G7/C |

| CM7 | G7/C | Gm7(5)/C | C7 |

  [A1] 25〜32(8)

| Fm7 | Fm7 C7 | Fm | B♭/C |

| Fm7 | Fm7 | B♭7 | B♭7 |

  [A2] 33〜46(14)

| B♭m7 | B♭m7 E♭7 | Cm7 | D♭M7 |

| C♯m7 | F♯7 | BM7 | D/E |

| AM7 | F♯m7 | B7(4) | (Bm7) B7 |

| D/C | Cm7 |

  [B1] 47〜54(8)第2主題

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | B♭7(4) B♭7 |

| E♭M7 | C♭M7 | D/C | Cm7 |

  [B2] 55〜62(8)

| Fm7 | Gm7 | A♭M7 | Am7 D7(4) D7 |

| Gm7 | Gm7 C7 | Fm7 | B♭7 |

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この後、「C1」に続きます。

お楽しみに!
posted by テル先生 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 「8つの演奏会用〜」op.40 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする